• 今日22/18
  • 明日19/17
文字サイズ

わたしたちの健康「新型コロナウイルスの検査」

19/31

埼玉県志木市

朝霞地区医師会/岩崎康治(いわさきやすじ)・原彰男(はらあきお)

未だに世界中で感染の勢いが収まらない新型コロナウイルス感染症ですが、一般的に行われている検査にはどのようなものがあるのでしょうか。ニュース、情報番組やインターネットなどでも情報が得られるとは思いますが、改めて簡単に解説してみたいと思います。
そもそも新型コロナウイルスってどんなウイルスなんでしょう?ウイルスは大きく分類してふたつに分けられます。ひとつはDNAウイルスで、全世界から撲滅できた天然痘ウイルスやB型肝炎ウイルスなどがあり、もうひとつが今話題の新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどが属するRNAウイルスです。
現在、日常的に行われているウイルス検査には次のようなものがあります。1.遺伝子検査2.抗原検査3.抗体検査です。新型コロナウイルス検査もこれらの検査法で行われていますので、ひとつひとつ解説してみます。

1.遺伝子検査
今回の新型コロナウイルス感染症の検査で一番耳にしたのがPCR検査ではないでしょうか。このPCR検査も遺伝子検査のひとつpolymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、核酸増幅検査と呼ばれています。コロナ禍では、すべての遺伝子検査をPCR検査と総称しています。目的の遺伝子と結合することのできるプライマーと呼ぶ遺伝子の型を一緒に熱を加えて冷やすと、型と結合した遺伝子も、型のみも2倍に増加します。これを40~50回ほど繰り返すことで数千億個~数兆個までに遺伝子と型は増加します。最終的に結合した遺伝子を、数値化など客観的に結果を得る方法を用いて判定します。これが核酸増幅検査(PCR検査)と言います。これまでの核酸増幅には1~2時間程度の時間を要していましたが、短時間(30分~1時間)で増幅する方法が次々と開発され、現在の新型コロナウイルスの検出に利用されています。

2.抗原検査
抗原とは1種のタンパク質で、自然界だけではなく人工的に作った有りと有らゆるタンパク質が抗原となり得ます。新型コロナウイルスにもウイルス表面に特有のタンパク質を持ち合わせています。そのタンパク質を検出する方法が抗原検査です。検査方法としては自動検査装置を用いる方法とイムノクロマトグラフィー法と言われる迅速簡易法があります。迅速簡易法は、検出感度が自動機器を用いる方法より低いのですが、15分程度で結果が判定できるのが特徴で、インフルエンザウイルスの検査などで広く利用されています。インフルエンザの流行時期に、簡便かつ短時間で検査ができることで注目された検査法でもあります。

3.抗体検査
抗体とは抗原が体内に侵入(感染)すると、抗原を排除しようと特有の細胞やタンパク物質が作用し、抗原に対して特有のタンパク質を産生します。これを抗体と呼び、抗原が侵入(感染)してから抗体が産生されるまでの時間によって生成されるタンパク質のタイプが異なります。侵入(感染)してから間もなく産生されるのがIgM抗体で、IgM抗体が減衰した頃から産生されて、ある一定期間で侵入(感染)防御の役割をするのがIgG抗体です。このメカニズムを免疫応答と呼びます。
新型コロナウイルスの検査では抗原検査より先に検査法が開発されたのですが、IgG抗体とIgM抗体の別が判別できなかったため、感染直後なのが判らなく臨床的にはほとんど採用されませんでした。第1波の終わり頃にIgM抗体が検査できるようになり、感染していたかどうかを調査する目的で利用されました。同様にIgG抗体も判別できるようになりましたが、PCR検査や抗原検査の短時間で検査できる方法や簡便な方法の普及により抗体を検査することはほとんどありません。今後、無症候感染がどの程度あったのかを調査することがある場合などにはとても有用な検査になります。

紹介した検査はそれぞれ特徴があり、目的に沿った検査を選択する必要があります。検出感度が一番のPCR検査でも検出限界がありますし、さまざまな要因による偽陽性、偽陰性となることがあります。それはPCR検査だけではなく抗原検査でも抗体検査でも起こり得ます。利用している検査法やその検査キットの特徴をよく理解して検査を実施することが大事です。

問合せ:朝霞地区医師会
【電話】048-464-4666

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

       

志木市より市民のみなさまへ大切な情報をいち早くお届けします。 広報プラス ーわたしの志木ー

MENU